大野　光一

  

1987年生まれ　東京都出身

2012年武蔵野美術大学造形学部油絵学科油絵専攻　卒業

 

 私は人の「顔」をモチーフに作品を制作しています。

 人にとって「顔」というものは特別大切な物です。顔が無ければ私たちは個人を認識できないし、顔の表情はその人の心裏をよく表します。そのために人の顔の筋肉はとても多く繊細です。

 また、人の目、脳は顔の認識にとても長けています。天井の染みや木のうろ等も顔に見えます。

 顔は人の体の中で一番大切な部分でありながら常に裸です。

顔は人間社会では名刺であり、パスポートです。またその人の心の内を写す鏡であり、それと同時に心の内を隠すマスクでもあります。

 顔には怖くて美しい、とても大きな力があります。それは誰もが持っている原始的なものです。私は人の顔の向こう、薄い皮膚の裏側にその人の魂のような物があると感じます。

 私はその原始的な感覚を呼び起こすような、魂の入れ物としての「顔」にとても興味があるのです。

 そんな「顔」を作る事で、作品を見る人にも普段忘れられているその感覚を味わってもらい、顔に対するイメージを改めて考えてもらえればと思います。

 

 

　Ohno  Kouichi





Born in Tokyo, 1987.

Graduated in Musashino Art University, 2012. 

 

 The human face is something special.

I believe that without it we would struggle to recognize individuals, facial expressions also being a useful indicator of inner feelings and emotions.

The delicacy of the muscles in the face are important for this reason.

Human eyes and brains are also attuned to recognizing faces. The face is always “naked,” though it is the most key part of human body.

It can be considered as a “business card” in society, or a passport.

It is the mirror that reflects the inside of a person, and at the same time masks what lies in the heart.

My works offers viewers a chance to re-examine the human face.